煎茶を美味しく淹れる湯温の選び方
煎茶を淹れるとき、湯温を気にしている人はどのくらいいるでしょうか。沸騰したお湯をそのまま急須に注ぐと、渋みが強く出すぎることがあります。茶葉の種類によって適切な温度は異なり、それだけで味の印象がかなり変わります。
なぜ湯温が味に影響するのか
茶葉に含まれるカテキン(渋み成分)は高温で溶け出しやすく、テアニン(旨み・甘み成分)は低温でも溶け出します。つまり、高い温度で淹れると渋みが強くなり、低い温度で淹れると甘みと旨みが前に出ます。
この性質を利用すると、同じ茶葉でも湯温を変えるだけで、すっきりした味にも、まろやかな味にも調整できます。
産地別の目安温度
宇治の煎茶は70度前後が扱いやすいです。渋みが出やすい品種が多いため、少し低めの温度で旨みを引き出します。蒸らし時間は60秒を目安にしてください。
本山の深蒸し煎茶は、蒸し時間が長い分だけ茶葉が細かく砕けています。75度前後で40秒ほど蒸らすと、濃すぎず薄すぎない一杯になります。
知覧のかぶせ茶は旨みが強いため、65度前後の低温で淹れると甘みが際立ちます。蒸らしは50秒ほどで十分です。
温度計がない場合の調整方法
沸騰したお湯を湯冷ましに移すと、約5〜8度下がります。さらに急須に移すと、もう3〜5度下がります。この二段階の移し替えで、沸騰から15度前後下げることができます。
正確な温度計がなくても、湯冷ましを使う習慣をつけるだけで、渋みの出すぎを防げます。慣れてくると、湯気の立ち方や湯冷ましの温度感で大まかな温度が分かるようになります。
湯温の調整は、最初は面倒に感じるかもしれません。でも一度試してみると、同じ茶葉がこれほど変わるのかと驚くはずです。